現在、「看護師」と呼ぶことが定着していますが、昔や私自身が小学生の頃は「看護婦さん」と呼んでいたものです。それは皆さんも同じではないでしょうか?しかし、いつから「看護師」と呼ばれるようになったのか?女性は「看護婦」男性は「看護士」のままで良かったのではないのか?と思いますよね。そこで何故「看護師」に統一されたのか?看護婦と看護師の違いについてご紹介いたします。
Contents
看護婦とは?
病院や施設で医師の指示で医療行為や処置を行う事が出来る女性を言います。1948年に、保健婦助産婦看護婦法で「看護婦」と規定されました。
看護士とは?
病院や施設で医師の指示で医療行為や処置を行う事が出来る男性を言います。元々は「看護人」と言う名称でしたが、1968年に男性は「看護士」と称するようになりました。つまり、男性看護士は受け入れらえるまで時間が掛かった事になります。
いつから「看護師」に統一されたか?
2011年に、法律そのものが改正されて「保健師助産師看護師法」となります。男女区別なく「看護師」と称する事が規定されました。尚、准看護師に対しても同様で男性は「准看護士」女性が「准看護婦」とされていたものが、「保健師助産師看護師法」で「准看護師」に統一されました。保健師と助産師も看護師と同様で規定されています。
看護師と准看護師の違いは?
正看護師と呼ばれる「看護師」は国家資格で国家試験を受けて合格する事で資格取得が出来ません。厚生労働大臣より免許が交付されます。
「准看護師」は公的資格で、各都道府県で行われる試験を受けて合格する事で資格取得が出来ます。各都道府県知事より免許が交付されます。「看護師」も「准看護師」も資格試験を受けるには、規定された看護学校や准看護学校や看護短大等に入学し卒業する必要があります。
看護師と准看護師の業務内容に違いはあるのか?
「看護師」と「准看護師」の業務に内容には差は有りません。
「看護師」のみに出来て「准看護師」には出来ないと言う業務や決まりは有りません。しかし、「看護師」は医師の指示が無くても自己判断で看護が出来ますが「准看護師」は医師、又は「看護師」の指示を受けて業務を行います。
「准看護師は何も出来ない」「看護師と比べてしまう」と思っている人は大きな間違えです。「准看護師」も「看護師」と同様に医療業務が出来ます。給料面は違いがある事も有り「看護師」の方が30万だと「准看護師」は28万と言う感じで「看護師」の方が給料が高めです。
又、求人を見ると公立病院や国立病院は「看護師」の求人が多くあります。「准看護師」の求人はクリニックや老人福祉施設や訪問入浴サービスに多く見られます。
「何故、看護師の方が給料が高いのか?」それは「看護加算」と言う物が原因です。私が現在勤めている施設にも有りますが「看護師」がする医療的処置に「看護加算」と言う物が発生します。
「看護加算」と言う物はお金で各都道府県から出されます。「看護加算」を導入する病院や施設は各都道府県に届け出をする必要が有ります。「准看護師」には「看護加算」は発生しません。
男性看護師は現在増加傾向なのか?
病院で男性看護師「ナースマン」を見た事が有る人はいますか?私は正直に言いますと数える位しか、「ナースマン」と一緒の職場で業務したことが有りません。「ナースマン」のイメージは「力持ち」「頼りになる」と言うイメージが私自身に有りますが、「ナースマン」は看護師の全体の6.8%と少数なのです。そこで何故少数なのか?「ナースマン」のメリットとデメリットを紹介します。
ナースマンのメリット
ナースマンは、常勤で働き続ける人が多いです。女性看護師だと、やはり妊娠や出産と言う物が関わって来ます。そのため常勤で働くと言う事が難しくなって来ます。ナースマンは、常勤での勤務が継続しやすく、キャリアやスキルアップに繋げる事が出来ます。又、ナースマンは男性で有るから、力が有ります。患者さんの移乗介助も簡単に出来てしまい頼りになります。
ナースマンのデメリット
ナースマンは頼りになりますが、「看護されたくない」と患者さんが拒否する場合が有ります。それは「子供の患者さん」と「女性患者さん」に多いです。特に入浴介助や排泄介助の拒否が多いです。
看護師は女性が多いことから「女性の職場」でも有ります。そのため、同じナースマンがいない職場で孤立してしまうナースマンや仕事の愚痴や楽しく話せる同僚がいない事が大きな悩みになってしまう事が有ります。
看護師としての心構え
看護師は医師の指示に従い処置やケアを行っていれば良いと言う考えを持ってしまう人が多いです。そう言う考えでは看護師にはなれません!看護師になるための心構えを知り、自身を見つめ直してみましょう。
看護師は単独で行動する事が有る
看護師になると、単独行動が当然です。特に訪問看護師は単独で業務を行います。又、仲が良い同僚と勤務したいと言う気持ちの看護師さんが多いですが殆どが仲が悪い看護師さんやあまり話をしない看護師さんと夜勤を組む事が多いです。
イジメや孤立は当然ですが、イジメをする看護師さんは醜いと思う事!
同僚をイジメや孤立させる事は、とても残念な事です。厳しい指導は我慢できますが、イジメや仲間外れは本当に醜いです。私自身も、病院勤務で仲間外れにされた経験が有ります。当時は悲しかったですが、今思うと「何て醜いんだろう」「本当に看護師さんなの?」と思ってしまいます。仲間外れをしない!させない職場の環境作りが必要です。
看護師、准看護師にしか出来ない医療的ケア
看護師や准看護師は医師の指示や単独で医療的なケアが出来ますが、介護員や看護助手は医療的なケアが出来ないです。
注射、点滴、採血
人体に針を刺す事は医療的処置です。血管の位置は看護学校で解剖学を学んで看護師と医者にしか解りません。そのため、この業務は医師や看護師にしか出来ない業務になります。
痰や窒息時の吸引
痰や食べ物が喉に詰まり窒息した際に行う処置が「吸引」です。鼻や咽頭吸引は看護師や医師にしか出来ない医療的処置になります。しかし、看護師が在宅用吸引機の使用方法を介護福祉士に指導する事が出来、口腔内に溜まった痰を吸引する事は看護師の指示で介護福祉士に出来るようになりました。
排泄処置
「おしっこが出せない」「排尿障害が有る」患者さんはカテーテルが膀胱に留置されている事が有ります。看護師はカテーテル交換を行う事が出来ます。
胃瘻からの栄養剤注入
経口から食事が出来ない患者さんは、点滴か胃瘻や経鼻から栄養剤を注入する方法で食事を摂ります。経管栄養法と呼ばれており、看護師が胃瘻にチューブを繋げて栄養剤を注入します。尚、経管栄耀法は、吸引と同様に看護師の指示で介護福祉士にも出来ます。多くの施設では介護福祉士が経管栄養チューブを繋げた状態に準備をしておき、看護師が栄養剤を注入して行く所が多いです。
点眼処置
簡単に出来る目薬処置。これは看護師や医師のみにしか出来ない点眼薬が有る事を頭に入れておきましょう。医師や看護師のみにしか出来ない点眼薬は「散瞳薬」と「縮瞳薬」です。「散瞳薬」は目の中の瞳を広げて検査や手術を行います。間違えて「散瞳薬」を使うとどうなってしまうのか?目の中の瞳が広がるんです。周りの光が全部吸収されて非常に眩しく感じてしまいます。又、副作用も多く急に目が充血し痛みがはしったり、めまいや吐き気が現われる事が有ります。血圧が高い人や心臓に持病が有る人は使用する際に注意が必要となります。そのため、「散瞳薬」は医師や看護師のみが患者さんに使用出来る点眼薬となります。「縮瞳薬」にも副作用が「散瞳薬」と同じように有ります。広がった瞳を閉じる効果がある「縮瞳薬」には頭痛や目の痛み暗黒感等ありあります。逆に介護員等が出来る点眼処置はあるのか?それは「ドライアイ専用点眼薬」です。目の表面が乾燥してしまうため、よく使っている人が多いですが特に人体への影響は少なく副作用も無い物が多いです。「この目薬大丈夫かな?」「効果はどんな物なのかな?」と思う人は医師や看護師に聞いてみたり、薬事情報を確認してみましょう。
排便、便秘時の処置
便秘になると「浣腸して」と希望される患者さんをよく見ますが、浣腸は医療的処置です。浣腸はする事で血圧が急激に低下させてしまいショックを起こすケースが有ります。そのため看護師が医師の指示で行います。「座薬はどうなの?」と疑問に思いますよね。座薬は介護員でも患者さんに使える事が出来ます。しかし、看護師の指示のもと座薬を使える患者さんか聞く必要が有ります。又、摘便は医療的処置なので看護師や准看護師にしか出来ません。
血圧測定、体温測定
血圧測定や体温測定は、看護師にも当然出来、介護員もする事が出来ます。血圧や体温が異常な数値が出た場合に看護師に報告する義務が介護員には有ります。現在、正確に測れる電子血圧計が増えて来ており介護員でも簡単に測定出来るようになってきています。
軟膏や外用薬を塗る
看護師や准看護師が行う事は、医療的処置です。つまり、表皮剥離や裂傷等の出血を伴う傷の処置を主に行います。軟膏や外用薬を塗る事は看護師や准看護師は当然行いますが、介護員にもする事は可能です。ただし、外用薬には強い薬効の有る物も有るため看護師に確認しながら塗るといいでしょう。
爪切り
介護員は爪切りは当然出来ます。しかし、巻き詰や爪が水虫の状態でもろくなっている場合は、看護師や医師が爪切りを行う事があります。指先は出血しやすく爪切りの際は、細心の注意をはらう必要が有ります。
まとめ
「看護師」の法律や規定について知って頂けたでしょうか?「看護師」は現在人材が不足しています。看護学校に入って卒業して資格を取得しても「看護師」の業務と関係が無い仕事に就いている人も多いです。それは、給料や人間関係の問題やハードな業務が原因だとも言われています。「看護師」が働きやすい環境づくりを雇用者が行う事が重要になって来ていると私自身も感じています。